ポスティングシステムという言葉はニュースで何となく聞いたことがあるけど、よくわからないと思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、ここではなるべく専門用語は使わず、ポスティングシステムとは何なのかをわかりやすく簡単に説明したいと思います。
というわけで、今回は日本のプロ野球選手がアメリカ球団に移籍する手段の一つである、ポスティングシステムについて、条件や仕組み、実際どんな選手が利用したか、など取り上げていきます。
ポスティングシステムとはわかりやすく簡単に説明!
ポスティングシステムとは、わかりやすく簡単に説明すると・・・
海外チームに移籍できる権利を持たないプロ野球選手が、なるべく早く海外チームに入りたい!と希望した時、今の所属球団側が合意すれば移籍できる制度です。
そして、海外球団と無事契約が決まったら、契約金の一部が今の所属チームに入る仕組みです。
それでは、ポスティングシステムの仕組みや条件についてもう少し詳しく見ていきますね。
プロ野球ポスティングシステムの条件は?
プロ野球ポスティングシステムの条件は、
- メジャーリーグへ移籍の場合は在籍年数と年齢に制限あり。(マイナーリーグの場合は制限なし)
- 球団が容認すること
この2つです。
では一つずつ見ていきましょう。
ポスティングシステムの年齢は何歳から
ポスティングシステムの年齢は何歳からかと言いますと、
メジャーリーグ移籍を希望する場合は「25歳以上でプロ在籍6年以上」
となります。
ポスティングシステムは何年目から?
そして、25歳以上という年齢制限に加えて、何年目からという条件があります。
それが在籍6年以上というルールです。
この「25歳&在籍6年以上」というにルールよって、ある選手が大きな話題となりました。
それが、大谷翔平選手です。
ポスティングシステムを利用した大谷翔平選手
【松野長官明かす】エンゼルス・大谷翔平選手が国民栄誉賞を辞退https://t.co/yTkAboXPo1
今季のアメリカン・リーグMVP(最優秀選手)に選出されたことに関連して打診したところ、「まだ早いので今回は辞退させて頂きたい」という旨の返事だったという。 pic.twitter.com/KTfiRdyium
— ライブドアニュース (@livedoornews) November 22, 2021
2017年、大谷翔平選手はポスティングシステムを利用してメジャーリーグ移籍を表明しましたが、この時点でプロ経歴5年、23歳だったため、マイナーリーグ選手としての契約しか出来ませんでした。
更に、「25歳ルール」に満たない海外選手と契約する場合、契約金を低く抑えなければならない決まりなので、大谷選手は、驚くほど安い金額での移籍となりました。
(本人にとって金額は問題ではないと思いますが)
ちなみに、初めからマイナーリーグへの移籍を希望する場合、制限はありません。
※運営システムは違いますが、日本に例えると、メジャーリーグは一軍、マイナーリーグは二・三軍のようなものです
ポスティングシステムは球団の容認が必要
今の所属球団が認めてくれなかったら、ポスティングシステムでの移籍は出来ません。
メジャーリーグへの移籍希望でなければ(マイナーリーグなら)、条件は「球団が容認すること」だけです。
ポスティングシステムの仕組みは?
ポスティングシステムの仕組み・流れは以下の通りです。
①本人が移籍希望
②球団が承認
③球団が日本野球機構(プロ野球の統括組織)に通知
④日本野球機構がメジャーリーグ側に通知
⑤獲得を希望したアメリカ球団と選手が交渉(交渉期間:④の翌日~30日間)
無事に契約が決まったら、アメリカの球団から日本の所属球団に譲渡金が支払われます。
もし契約が決まらなかったら、元の球団に戻るパターンが殆どです。
ポスティングシステムを認めない球団ソフトバンク?
現在、ポスティングシステムを認めないプロ野球球団はソフトバンクのみです。
かつては巨人も認めていませんでしたが、2019年に山口俊投手の移籍を初めて容認しています。
ポスティングシステムを巨人で利用した選手は?
ポスティングシステムをかつては認めていなかった巨人ですが、2019年に初めて容認したということをお伝えしました。
そこから、2020年には菅野智之投手の移籍も容認しています。
ですが、菅野投手は交渉不成立で巨人に残留しました。それ以降に巨人からでた選手は現時点ではいません。
ポスティングシステムとはまとめ
ポスティングシステムは、自分の力が全盛期のうちにメジャーリーグでプレーしたいと願う選手達と、チームのために活躍してくれる選手を手放したくない、という球団側の歩み寄りの結果生まれた制度です。
1998年に創設されてから今年で23年。
当初は文字通り入札方式で、最高額を付けた球団としか選手は交渉できませんでした。
それが何度かの改正を経て、現在では獲得を希望する全ての球団と交渉できるようになっています。
有望な選手が若いうちに次々移籍してしまうわけですから、日本の球団やファンの立場からすれば、「ポスティングシステムは不要だ」と考える人がいても不思議ではないと思います。
でも、私は一野球ファンとして、選手たちの挑戦を心から応援したいといつも思っています。
野球選手に限らず、プロであればもっと高いステージで活躍したいと願うのは当然のことですから。
逆に、日本の野球界は、ここが世界最高のプロリーグだと認められるような環境や制度を、全体で考えていくべきではないでしょうか。
ポスティングシステムによって、結果的に日本の野球界全体が盛り上がるよう、これからも注目していきたいと思います。